2024年度エプソン会社見学会を開催
8月22日(木)および23日(金)に、奨学生13名(26期生・27期生・6期生)が参加し、セイコーエプソン株式会社の会社見学会を行いました。この一泊二日の見学会は当財団の母体企業であるセイコーエプソンの事業概要や価値観や歴史を知ることを目的としており、あわせて諏訪地域の文化・歴史に触れながら、奨学生相互の交流を図ることを目指しています。
出席者はまずエプソンのパーパスや、企業概要について説明を受けた後、エプソン・ミュージアムを訪れ、「省・小・精」の価値観を体現している歴代の「世界初」の製品の数々を見学し、腕時計の部品製造からどのように現在のグローバルな事業展開につながっていったのかを理解しました。エプソンの主力製品でもあるプロジェクターを利用し病気や体の不自由な方に水族館の雰囲気を楽しんでいただく「ゆめ水族園」や、衣類の大量廃棄を防ぐために白い浴衣にプロジェクターで柄を投影し気に入ったものだけを布に印刷・縫製する、などの社会課題の解決に向けた製品活用の取り組みも興味深く見学しました。
午後は、国内最大規模の広丘事業所を訪問しました。Tシャツ、マグカップをはじめ、壁紙・床板などの建材、車のラッピング、ファブリック、アクリル板、あらゆるものに多様なインクで印刷ができるインクジェット・プリンターの可能性を実感できるソリューションセンターをじっくり見学しました。少ないエネルギーで、無駄の出ない少量の印刷が可能で、しかも精細で美しいプリントができるインクジェット・プリンターの可能性と底力を知ることができました。また、ほとんど水を使うことなく古紙から新たな紙を作り出す乾式オフィス製紙機「PaparLab」の説明を受け、エプソンのアップサイクル技術、循環型経済への貢献についても理解を深めました。「古紙回収に出して自分は環境にいいことをした、と満足していたが、その先で回収のためにたくさんのトラックが走り回り、古紙再生のためには大量の水が使われていることまで思いが及ばなかった。PaperLabはその課題をクリアする回答になっていて、その発想と技術がすごいと思う。」と感想を述べる参加者もいました。
一部の出席者は塩尻事業所を訪問し匠工房を見学しました。時計組み立ての名人・エキスパートの高級時計組立の超絶技能に感激しきりでした。
午後は一時豪雨になりましたが、夕方には晴れ間が戻り、諏訪湖にかかる虹を見つけて歓声があがりました。
役員や同窓生も交えて和やかに夕食をとった後、諏訪湖上で打ち上げられる花火を堪能し、一日目のプログラムを終えました。
二日目は朝から夏らしいお天気になりました。まず下諏訪町の儀象堂におじゃまして、エプソンOBで時計作りの大先輩である同館スタッフの方々の指導のもと、クロックの組立をしました。シンプルな構造ながらねじの締め加減で精度が変わってしまうなど、精密組立のむずかしさを体感しました。文字盤には自由に装飾を施し、世界にひとつのオリジナルクロックを完成させました。そこから徒歩で諏訪大社・下社秋宮に移動し、木立の中の壮麗な拝殿で参拝をしました。最後に諏訪湖観光の名物にもなっている水陸両用車に乗車して諏訪湖にダイブ。そのまま湖と諏訪市内を周遊して地域観光を楽しみました。
2日間の見学会を通じて、エプソンをより良く理解し、また他大学の留学生仲間とも知り合うことができて、奨学生にとって夏の良い思い出になったことと思います。また次の交流行事での再会を誓ってお開きとなりました。